大菩薩嶺 |
行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩) ◆11月4日 |
山日記 これは行くしかあるめぇ! 昨年の6月、大菩薩嶺から見た牛ノ寝通りの新緑が目に眩しかった。 ガイドブックを見ると牛ノ寝通りは新緑、紅葉が綺麗だと書かれている、それに大菩薩峠から小菅へ降りるハイカーは少ないみたいだし、もしかしたらこのコースは穴場なのかもしれない!とそれから気になっていた。 本当は先週の台風一過の日曜日に来たかったのだけれど情けないことに二日酔いで朝起きれず、今週ではもう紅葉は遅いのかもしれないと思ったけれど、まーっ、山の上の方は駄目でも麓にはまだ紅葉が残っているだろうとやって来た。 川久保でバスを降りる。バスには8人の登山者が乗っていたけれど、ここで降りたのは僕一人だけだった。他の人も大菩薩峠へ向かうのだろうと思っていたのに皆さん終点の小菅まで行ってしまった。もしかしたら他に登山ルートがあるのだろうか? 一人だけ降りたのは良いけれど登山口が見つからないのには参った。地図を見ながら付近をウロウロしたけれどどこにも登山口の標示が無い。 庭先で手作業をしていたお爺さんに道を尋ねると僕の地図は字が小さくて見えないと言うし、お爺さんに呼ばれて家から出てきたお婆さんもやっぱり字が小さくて見えないと言うし困ってしまった。そのうち業を煮やしたお爺さんが「高指山はあれだから(と山を指差し)山に向かって歩いて行ったら着くよ」アバウト過ぎる答えにも困ってしまった。 お婆さんに教えてもらったとおり派出所のドアを開けるとチャイムがなって部屋の奥から警官が出てきた。誰もいないと思った派出所、田舎では派出所と住居が一緒になっているのだ。 登山口からヒノキ林の登山道をジグザグと登って行く。 小一時間ほど登って行くと植林帯を抜けた。そこは白樺林になっていて上を見上げると青い空に白樺の白い幹がくっきりと太陽を受け止めている。 さらに登って行くとモロクボ平と呼ばれる場所で一面のブナ、クヌギなど広葉樹が一面に生い茂っている。この辺りはまだ紅葉していなかったけれど白っぽい幹の連立する森はそれだけでたまらなく嬉しい景観だ。 |
高指山(モロクボ平)付近はこんな感じの森が広がっていた。良いよなー!のっけから嬉しくなる。 |
木々の向こうには紅葉した山の稜線、そのさらに向こうには飛竜山。んっ気になる・・・山だ! |
登山道は緩やかに高度を上げていく。そしていよいよ憧れの紅葉地帯へと突入して行った。 |
紅葉した登山道を撮るのは難しいな!と今回は痛切。 実際はこれの1000倍の色鮮やかさ。 |
大ダワからは雲取山、飛竜山の展望が良い。 切り株の根っこにビッシリとキノコが群生していた。 |
紅葉の中をズンズンと進んで行くとポッカリと視界が広がった。大ダワと呼ばれる場所だ。切り株がいくつか残っているので以前はここも木が生い茂っていたのかもしれない。今は木々の間から雲取山、飛竜山など奥秩父の山々の展望が良い。 |
カエデの紅葉はひときわ鮮やかだ。秋の山を飾るそれはまさしくコラージュ。 |
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「今日はどこまで行かれるんですかー?」 |
榧ノ尾山山頂もハイカーでいっぱい。なにせ牛ノ寝通りは展望が良い場所が少ないからね。 |
牛ノ寝通りは木々がきれいなコースなのだけれど反面展望が良い場所が少ない。 |
紅葉の賞味期限は短い! 榧ノ尾山を過ぎて石丸峠への登りになると急に紅葉が少なくなった。それに比例するかのように道に重なり合う枯葉の量がいっそう多くなり足を進める度にサクサクと乾いた音を立てた。 降りてくる人から「この先、石丸峠まではずっと登りですよ、がんばって!」と声をかけられる。 だからオレってよほど弱々しく見えるのだろうか?登る速度があまりに遅いからなのか?全身ユニクロファッションだからか? どっちにしろ・・・へこむ。 |
石丸峠は風がそよぎ流れる白い雲が青空を断続的に隠していた。 |
静かさの中の石丸峠は好きな場所、雲の流れに洗われたような笹原の緑が鮮やかだ。 |
江戸時代、江戸から奥多摩を経て甲州へ向かう道は二つあった。一つは丹波から大菩薩上峠を超える丹波大菩薩路、もう一つが小菅から大菩薩下峠を越える牛ノ寝通りだ。 |
石丸峠で時間が押しているようだったらここから直接上日川峠へ下りようと思っていたけど(石丸峠から上日川峠までの唐松林も一見の価値ありなのだ)予定通り大菩薩峠へ向かうことにした。 熊沢山へ登る途中、石丸峠を見下ろしと、もうひっきりなしに雲が流れ、かろうじて笹原の中にぼんやりと登山道を見出すことが出来た。 せかされるような感じで大菩薩峠へ向かった。 大菩薩峠(介山荘)へ到着。 んーん、人が、多い。午後1時半を過ぎてこの人の多さは?百名山、そして上日川峠からアプローチのし易さなのだろう。 この峠はなぜだか分らないけれどけど安堵感、達成感がほどよく交差し、元気が出てくる場所なのだ。どこかに旅の風情を感じさせるからなのだろか? |
午後一時を過ぎても大菩薩峠はお弁当を広げたハイカーでいっぱいだ。恥ずかしくて三脚立てられない。 |
上日川ダム湖が残照に白く光っていた。小さなため息、富士山は見えなかった。 |
ええなー!多少曇っているけれど 変わらない物、良い物はいつ来ても良いのだ! |
峠から賽ノ河原へ向かって登って行く。 |
残照にまだまだ輝きを残していた。秋を愛でる山旅の最後には・・・唐松尾根の唐松は本日最後のご褒美! |
しかしこの尾根はいつ来ても気持ちが良い。思わず笑みがこぼれるほど気持ち良い。 |
山を降りよう!そのきっかけはこんな景色の中ではついつい遅くなってしまう。 近くで記念写真を撮っていたパーティーがフッと静かになるのを機に重い腰を上げた。 まだまだっ!行く先の唐松は残照にまだまだ輝きを残している。残り少ない時間の中で紅葉を楽しみながらのんびり降りることにしよう! また来たい山が増えたな!ふとそんな気がした。 |
何かを見つけた!そんな一日だった。 |
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