半月山 |
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行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩) ◆3月20日 |
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山日記 中禅寺湖バスターミナルでバスを降りて歩き出そうとすると外人の一団に取り囲まれた。英語でゴチャゴチャと話し掛けられたが僕は英語が苦手なので何て言っているのかサッパリ分からない。ただ言葉の中に"kegon"と聞き取れたので華厳の滝への道を尋ねているのだな!と分かった。ところが英語がしゃべれないので滝がある方向を指差し,一言「あっち!」と言うしかない。そうしたらしつこい外人でまだゴチャゴチャと話し掛けてくるのでもう一度「あっち!」と今度は眉間にしわを寄せて言った。そうしたらやっと分かってくれたみたいでやっぱりゴチャゴチャとしゃべりながら歩いていった。 ドッと疲れて湖畔沿いの道を歩き出す。前を見ると僕と同じバスで来た人達が歩いていた。皆のザックにはカンジキがくくり付けられていた。「けぇ、素人はこれだから困る!」季節はもう春が近い3月であり、今の季節は雪も締まってアイゼンの刃が良く効く時期なのだ。カンジキは新雪の時期にこそ有効な道具なのだ。 |
狸窪からの男体山 男体山はここからが一番形が良いと思う |
登り出して高度が高くなるにつれて雪の量もドンドン増してきた。それだけだったら別に気にすることは無いのだが問題はアイゼンが全然役に立たないと言うことだ。膝まで雪に埋まってしまい何のためにアイゼンを付けているのか分からない。アイゼンを外せば良いのだが雪が深くて外すのが面倒なのと付けていれば何時かは役に立つ時が来ると思ってそのまま登った。 雪の斜面を登りだして1時間、無雪期のコースタイムは1時間なのでそろそろ稜線に出ても良いはずなのにその気配は無い。雪のせいで時間がかかっているのだろうと思いながら登っていると人の話し声が聞こえて来た。他に登っている人がいるらしいので声がする左の方に進んでいった。 |
すると雪の上にトレース発見、その後を歩くことにした。雪がラッセルされているので歩くのが大分楽になった。しばらく登っていると先行しているパーティーに追いついた。見ると同じバスで来たカンジキ隊であった。情けないことにどうやら途中で追い越されてしまったらしい。「カンジキって馬鹿にしてごめんよー!」素人なのは僕の方である。持ってきたアイゼンは雪の中を潜行しているばかりで何の役にも立たない。カンジキが正解だったことはここまでの登りで嫌というほど身にしみていた。 |
展望台より男体山を臨む。眺めはやっぱ最高です。それからこの女性は僕に揚げパンをくれた人。美人なのにかなり山に慣れた様な感じの人。。。って美人であることと山に慣れていることは関係無いけど! |
途中で前をいくパーティーが休憩にはいった。人の後ばかり歩いているとラッセル泥棒として嫌われると聞いていたのでこの期を逃さずに前に出た。雪の深さは股下まである。今までラッセルなんてしたことが無い。しかしそのことがバレるのはかっこ悪いので無我夢中で雪を蹴散らして登って行った。急斜面だったので歩くと言うよりは手で雪を掻き、雪の中を泳ぎもがいている感じである。 |
やがて斜面が段々となだらかになり稜線に飛び出した。ホッと息をつき、我に返ると全身汗びっしょりだった。稜線に出て周りを見渡すと木々の間に標示が立っているのが見えた。近くに行って標示を見ると半月峠だった。狸窪から2時間もかかってしまった。 半月山への道は雪にトレースがあり、数人が通ったようだった。大きなアップダウンも無く半月山に到着。展望台はそんなに広くは無く10人も居ればいっぱいになってしまうような広さだった。でもさすがは男体山、中禅寺湖の展望台である。その眺めは一級品である。展望台から写真を撮ろうとしたのだが人が入れ替わり来るので人の姿が入らないように写せなかった。 諦めて弁当を食べるて居るとそばに居た女性が「これ良かったらどうぞ!」とお新香をくれた。この女性二人は中禅寺湖からロープウェイで茶ノ木平まで登ってここまで来たそうである。僕の足元を見て「カンジキが無くて大変だったでしょう?」と尋ねられて本当に図星だったので情けなくなってしまった。 |
ドカドカと降りる。男体山もこれが見納めだ!この後にコケて膝を痛める |
そうして話していると「これも食べませんか?」と揚げパンをくれた。その揚げパンは表面にビッシリと砂糖がまぶしてあって甘いものが苦手な僕は内心「あれぇー!すげぇー甘そうなんだけどどうしよう?」と思ったが断るのも悪い気がしてそのパンにかぶりついた。 パンの中にはご丁寧にもアンコが入っていてそれを食べた僕は気持ち悪くなってしまった。 |
ムカムカ胸焼け状態で下山開始。登るのは苦労したが降りるときは雪をバンバン蹴散らすようにして降りるので割合に楽だった。傾斜が段々と緩やかになり、雪も段々と硬くなっていった。硬くなった雪の表面を膝まで踏み抜くようにして降っていく。ドンドン降りていっていると足が急に雪から抜けなくなった。しかし降りるのに勢いが付いていたので足は雪に刺さったまま、体は前に。。。膝に激痛を覚えてその場に引っくり返った。立ち上がって膝の状態を確認みるとズキズキと痛いがどうにか歩ける状態だ。そこから中禅寺湖バス停までトボトボと足を引きずって歩いたのだった。 今回は最初から最後まで締まらない山登りになった。がしかし「山登りってやっぱ面白れぇー!」と益々山にハマッテしまうのだった。 |
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