九州どかどかラーメン旅 (準備編)

昨年の11月頃、長期で有給休暇が取れそうな気配になった。
こんなチャンスはめったに無い。せっかくの長期休暇だ。この機会に以前から行くのを諦めていた九州の百名山を目指すことにした。

登山時期
九州の百名山とは言ってもそのメインは屋久島(宮之浦岳)である。僕の住んでいる川崎から屋久島はやはり遠い、土日でパッと行って帰って来れる山ではないのでとりあえず屋久島だけはこの機に行っておかなければと考えた。
そこで登山する時期についても屋久島へ行くのは何時が良いかだけを考察した。
夏・・・何といっても南国、登山するには暑い
冬・・・屋久島の森から緑が消える
結果、単純に春と秋が良いのでは?と思えた。

それから屋久島と言えば雨である。日本一雨が多い島だと言われている。屋久島の観光ガイドを見ると「雨の森も素敵ですよ!」なんて書いてある。たしかに雨に光る屋久杉の新緑や森一面を覆うコケは綺麗だとは思う。だけどそれは屋久杉ランドとかを散策する場合だけだと思う。
登山に関して言えば雨の中を合羽を着て登るのは大変だし、山頂からの遠望も期待できない。ガスっていたら一面真っ白で何も見えないだろうし、濡れた服のままでシュラフにもぐりこむなんてまっぴらごめんだ。

やはり登山は晴れが一番だと思う。そこで屋久島の月別降水量を調べてみると春と秋では降水量が少ないのは10,11月だった。(ちなみに屋久島と鹿児島市の降水量を比較してみると屋久島は鹿児島に比べて150-200%も降水量が多かったのには驚いた)

やはり屋久島に行くのは晴れた日が多い10-11月が良いのかなー!と思うのだが・・・
しかし一つ気になっていることが・・・田口ランディの「 ひかりのあめふるしま屋久島」を読むと屋久島が一番光輝く時期はきっちり4月と宣言されているのだ。
屋久島の観光ガイドにも、4月/新緑、6月/シャクナゲ、11月/紅葉と観光ポイントが書かれており、僕としては以前から屋久島に行くなら新緑の季節だな!と密かに思っていたのだった。

屋久島の新緑は見たいけれど雨は嫌だ・・・どうしよう。
どこかに打開策は・・・と言うことでYahoo Japanの「過去の天気」で詳細な天気を調べてみた。すると意外なことが分かった。月別降水量では雨が多いとされている5月も意外と晴れの日が多いということだ。厳密に言えば晴れが多い年もあれば、ずっと雨が降っていた年もある。つまり4月のなたね梅雨と6月の梅雨に挟まれた5月は基本的には晴れが多い月なのだけれど梅雨の時期が前後することで統計上5月の平均降水量は多くなっていたのだ。
例年の鹿児島のなたね梅雨は4月いっぱいで終わり、そして梅雨入りは5月31日となっている。

屋久島の新緑が待っている。4月に行くのは諦めてGW明けの5月7日から31日までの晴天に賭けることにした!

航空チケット
最近はLCCの台頭で航空券がかなり安くなった。
東京から鹿児島までの各社の航空券の値段を調べてみると一番価格が安いのはジェットスターだった。なんと最安値\5990円なのだ。
これじゃ、さわやか信州号で上高地へ行くより安いではないか。
ところがよーく見るとジェットスターは航空券の他に受託手荷物代がかかるのだ。それで次に安いJALと鹿児島までの必要経費を比較してみた。
ジェットスター
成田(8:40発)→ 鹿児島(10:35着)
航空運賃:\5990、受託手荷物代:\1100(20kg)、川崎→成田(2時間半)交通費:\1620、((合計\8710円))
JAL
羽田(6:40発)→ 鹿児島(8:20着)
航空運賃:\10090(早割)、受託手荷物代:\0(20kg)、川崎→羽田(1時間弱)交通費:\540、((合計\10630円))
\2000円も安いジェットスターで行くことに決めた。

ところが宮之浦岳(屋久島)の登山を計画していると問題が出てきた・・・鹿児島から屋久島への移動手段である。
航空機(\10000円以上)、フェリー屋久島2(\4900円)、フェリーはいびすかす(\3600円)、高速フェリートッピー&ロケット(\9100)の4つの方法がある。なるべく交通費を安く抑えたいので屋久島2orはいびすかすを利用しようと考えた。

ところが屋久島2の鹿児島出発時刻は朝の8:30なのでこれには間に合わない。一方はいびすかすはと言うと出発時刻は夕方の18:00なので余裕で間に合うのだけれど逆に乗換時間が長すぎるのだ(おまけに屋久島に到着するのは翌朝の7:00)。
飛行機は10:35に鹿児島に着くのだがフェリーの出発時刻の夕方18:00までには6時間以上の間がある。一体その時間は何をやって過ごせば良いのだ。山登りが目的で来ているのにのんびり鹿児島観光してたんじゃ時間の無駄である。
それで料金は高くなってしまうけれどトッピー&ロケットを利用することにした。これだと13:50には屋久島に着く事ができる。

ところが続いて屋久島→開聞岳の計画を立てている時にふと思った。
屋久島より先に開聞岳へ登ってしまったらどうだろう?
JR指宿枕崎線の時刻表を調べるとJALを使って朝8:20に鹿児島に入れたらその日のうちに開聞岳へ登り、翌朝8:30の屋久島2へ乗る事が出来ることがわかった。
ジェットスター(\8710円)+トッピー&ロケット(\9100)=合計\17810円
JAL(\10630円)+屋久島2(\4900円)=合計\15530円

あれっ、JALを利用した方が\2000円も安いではないか。

登山靴
最近、山登りをしていなかったので装備を確認する意味も含めて大菩薩峠へ登った。
見事に靴擦れしてしまった。6年前に北海道の山に登った時、靴の内側、踵の部分に穴が開いてしまった。修理に出して薄い革でふさいでもらったけれど、それ以来靴擦れするようになってしまった。(ほんの薄い革一枚の違いで靴擦れするなんて、靴のサイズは微妙なものだと思う)
履いた靴下の厚さで多少緩和出来るのでゴマカシゴマカシ履いていたけれど今回の山行で靴紐を通すフックが折れてしまったのでこれを機会に新しい登山靴を買うことにした。
僕の足は甲が低い(偏平足?)ので靴の中で踵が上下に動きやすく(中敷で調整してもダメだった)、今までに履いていた靴のほとんどが靴の内側、踵の部分が損傷していた。

ネットで調べると甲が低い足の人は登山靴のつま先側(下側)がD環ではなく、革や紐状になっている靴の方が甲を締め易いと書いてあったので今回はそんな靴を試してみることにした。
それと選考ポイントもう一点。今までLOWAのバンフと言う内側がカーフ(革)の靴を履いていたけれど、この靴は半日は履いているとカーフが湿って色が変わっていた。やっぱり靴の内側はゴアの方が良いと思う。

候補はハンワグのクラックGTX、シリオ41Aだったけどこの2つとも登山用品店には無かったので色々試し履きしてLOWAのミンガGTXを買った。今まで履いていたバンフと比べてシャンクが多少柔らかいのが気になるけれど、踵の収まりが良かった。

テント
最近、雨の中にテントを張っていないのでその防水性が確認出来なかった。だけど買って相当使っているのでこれを機会に防水処置をすることにした。
ネットで防水方法を調べると、テント本体の底は防水性、フライシートは撥水性の物を使用すると書いてあるサイトがあった。その理由はフライシートに防水性の物を使用すると通気性が無くなってテント内が酸欠状態になる危険性があるというものだった。
だけど元々フライシートに通気性は無いし、テント本体とは隙間があるので換気には問題がないと思う。(もちろんシングルウォールは別)
シーム剤で縫い目を塞いだ後、モータウン製ハイパーウォータープルーフをフライシートとテント底に塗布した。
(追加:テント本体の布部分は撥水剤を塗布した方が良さそうです。結露したフライシートが触れると濡れてしまいます。)

テントの入り口の破れをふさぎ、縫い目もシーム剤で目止めする
その後、防水剤をフライシートと本体底に塗布した。


テントポールの袋の紐にペグが飛び出さないようにストッパーを付ける。

ザック
気になっていたのがサイドポケットのゴムの緩み。ペットボトルをサイドポケットに入れて歩くのだが、最近ゴムが緩くなってペットボトルが落ち易くなっていた。自分でゴムを交換した。
それとザックのフィッティングの調整確認。ショルダーベルトが浮いた感じがすることがあるので、背面長調整用のスリットを合わせる→ショルダーベルト調整→スタビライザーストラップの調整を練習?する。

合羽(レインウェア)
ゴアテックスの欠点は生地表面が水をはじかなくなると透湿性が無くなってしまう事。
使っている合羽も生地表面にべっとりと雨が付くようになってしまった。アイロンをかけてみるが撥水性は思ったほど回復しなかった。
近くのホームセンターで防水スプレーを買って使ってみたけれどその効果が長続きしなかったので撥水剤を使うことにした。
使ったのはNIKWAX製TX.Drect.Wash-In。洗濯機ではなく、キッチンのシンクで手洗いした。
効果は意外と強力だ、合羽だけではなく、シンクも、手も撥水加工されてしまった。

ストーブ用ガス缶
飛行機利用の際の一番の悩みはガス缶の確保である。
販売店を調べるためEPIとプリムスのサイトにアクセスしてみる。すると二つともに販売店が記載されているのは北海道、屋久島、沖縄だけである。鹿児島はどこで売っているんだ?まったくこの情報の少なさにはイライラした。

そんな時、良い情報が・・・ローソンとファミマではAmazonなどネットで買った商品を指定したコンビニで受け取れる「コンビニ受取サービス」と言うのをやっているのだ。
Amazonnにアクセスしてみるとガス缶の値段が何とその辺の登山用品店で買うよりもずっと安いのだ。これを利用しない手は無い。
早速購入手続きしてみると・・・なんでだぁー「コンビニで受け取ることが出来ません」との表示が。
その理由は梱包の縦、横、奥行、の内で一番小さい寸法が10cmを超える物はこのサービスは利用できないらしい。つまり書籍とかCDとかサイズが小さい商品しかコンビニには送れないのだ(まーっ考えたらコンビニだってあまり大きな品物を送られても困るしね)
と言うことで結局ガス缶は現地調達しかないと言う結論なのだ。

左:合羽の撥水に使ったNIKWAX製TX.Drect.Wash-In
右:テントの防水につかったモータウン製ハイパーウォータープルーフ


帽子にアゴ紐を付けた。これで風に飛ばされない。

折り畳み傘&サンダル
先の北海道の山旅で必要だなと思ったのが折畳み傘とサンダルだ。
雨が降っている中、街中を合羽を着て歩くのはどうもカッコ悪かった。(合羽を着て歩いているとナゼか「砂の器」を思い出して気持ちが暗くなる)
電車やバスに乗った時に合羽をいちいち脱ぐのは面倒だし、かと言って脱がないと他の乗客に迷惑になる。

ちょっと想像してほしい。ホテルにチェックイン→風呂に入ってさっぱりする→Tシャツ/短パンに着替える→何かうまい物でも食べに行くか→登山靴を履く。風呂上りに繁華街を登山靴でドカドカ歩くのって何だかすごい違和感があった。
ここはやっぱサンダルだろっ!
今回この2品を持って行くか悩んだ末、風呂上りの登山靴はまだ我慢できる、だけど砂の器は我慢できないので傘だけは持って行くことにした。

デジカメ用メモリー

北海道の山旅で困ったのがデジカメのメモリー容量が足りなかったこと。(2GB+1GBでは足りなかった)今回4GBを追加購入した。
メモリーの価格低下には驚いた。9年前に買った最初のCFメモリーは20000円/1GB、6年前に買った時は10000円/2GBだった。
今回、4GBメモリーの値段は何と1500円だった。技術の進歩は分かるけど安く成り過ぎでは?感はいなめない。

銀行ATMカード
山登りで絶対に忘れてはいけない物・・・それはお金です。
ザックや登山靴を忘れても(忘れる人いる?)お金さえ有ればまーどうにかなる。だけどお金を忘れると山登りは中止せざるを得ない。(・・・極論だけど)
やっぱり北海道山旅で困ったのが、いつも使っている都市銀行のカードを持って行ったらお金を下ろせる箇所が少なかったこと。
で今回はコンビニATMで使えるカードとゆうちょカード(やっぱゆうちょでしょ)を用意した。

その他
腕時計のボタン電池の交換(自分でやった)
デジカメの日付/時計用ボタン電池の交換(使っているCanon/kissにはその電池がある)
帽子にアゴ紐を付ける
テント・ポールの袋にストッパー付ける
など、普段気にはなっていたけどなおざりになっていた物はこれを機会に対策した。

さあ、いざっ、これで九州に向かうのだ!!!
装備一覧表
ザック (70L)
ザックカバー
サブザック (15L)
腕時計
ライト(へっ電)
地図
テント
シュラフ (ダウンハガー#3)
シュラフマット
テントマット
コンパス
薬類
折り畳み傘
デジタルカメラ
デジカメ予備バッテリー
デジカメ充電器
デジカメCFメモリー
PLフィルター
三脚
ウルトラライトダウンジャケット
トレッキングパンツ
ジャージパンツ
合羽 上・下
マイクロフリースジャケット 上・下
ヒートテック 上・下
メモ紙
ボールペン
ラジオ
靴 (Lowa)
5徳ナイフ (ナイフ、フォーク、スプーン、缶切)
ポリタン (2L)
ロールペーパー
Tシャツ
代えTシャツ(移動用)
パンツ
代えパンツ(移動用)
靴下
代え靴下(移動用)
手袋
ライター
ストーブ (EPI)
コッヘル
シェラカップ
歯ブラシ
バンダナ
タオル
帽子
お金/ATMカード
文庫本
ライトはLEDなので予備電池は持って行きません。
服関係の内、トレッキングパンツ、ソックス、合羽、ジャージパンツ以外はすべてユニクロ製です。
ジャージパンツは韓国岳で一度だけしか使いませんでした。いらなかったと思います。
逆に、日焼け止め、サングラスは持って行くべきでした。(5月は紫外線が強かった)
ロールペーパー、乾電池など現地で調達出来る物も持って行きました。(現地で慌てて買って買い残しが有ったら困るので)
必要品で持って行かなかったのは食料とガス缶だけです。
石鹸、歯磨き粉は持って行きません(山では使わないようにしています)。
ストックは軽量化(と言うよりザックに付ける箇所が無かった)ので今回は持って行ってませんでした。
屋久島では熊がいないため熊鈴は使用禁止になってます。
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