鬼ヶ岳、王岳、三方分山、蛾ヶ岳

行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩、***:タクシー)

◆1月13日
立川 (5:24) +++ 大月 (6:20/6:22) +++ 富士吉田 (7:09/7:30) === 桑留尾 8:00/8:25) --- 十二ヶ岳 (10:20/10:50) --- 金山 (11:35) --- 節刀ヶ岳 (11:50/12:10) --- 金山 (12:20) --- 鬼ヶ岳 (12:45/13:15)--- 鍵掛峠 (14:05/14:15) --- 王岳 (15:35) (テント泊)
◆1月14日
王岳 (7:15) --- 五湖山 (8:30/8:40) --- 女坂峠 (9:10) --- 三方分山 (9:40/9:55) --- 釈迦ヶ岳 (10:45/11:00) --- 八坂峠 (11:20) ---(道に迷う)--- 八坂峠 (12:40) ---(しつこく道に迷う)--- 地蔵峠 (13:45/13:50)--- 蛾ヶ岳 (15:05/15:25) --- 大畠山 (16:05) --- 四尾連峠 (16:15/16:25) --- 市川本町 (17:40/17:51) +++ 甲府 (18:25/18:29) +++ 高尾(20:07)
山日記 (Oさんに捧ぐ 編)

一富士、ニ鷹、三なすび・・・はたして初夢はどんな夢を見るだろう。
ん?ニ鷹じゃないよ、一鷹だろっ?!ことしこそは絶対にホークスに日本一になってもらわなきゃいかんのだ!今年の夢はホークス日本一!なのだ。
これにはやっぱ今年初めの山登りは王岳に行って優勝祈願するしかないな!

ぐるり富士山包囲網登山の続きもあって王岳はここ毎年のように年初めの3連休で行くことを計画しては実現出来ずにいた。3連休で王岳→竜ヶ岳→毛無山と一気に縦走したかったのだけれど中々天気に恵まれなかったのだ。
王監督も無事復帰したことだし今年こそは行かなきゃいかんのだ!と鼻息を荒く3連休の天気を期待していた。だけどだ、こんな川崎の片隅で一人ホークスの応援に気を吐いている男の願いは天に届かず、3連休は超低気圧が発生して天気は大荒れとなり、またも計画倒れになってしまった。
うんにゃーいかん!今年こそは行かなきゃいかんのだ、3連休がダメなら土日で行くのだ!


十二ヶ岳への登山口から登りだした途端にホーッとした気持ちで心が満たされた。
なにせ今年最初の山登りは朝からトタバタしてしまって・・・
朝3時に起きてパッキングし、駅まで自転車で向かったら途中でチェーン錠を持ってくることを忘れたことに気がついたのだけれど取りに戻ったら電車に間に合わないし、しかたなく前輪のプッシュ式錠だけ掛けてきたけれどまた盗まれそうで気がきじゃない。
そして富士吉田駅、水道を探していたら駅員さんが親切に事務所内で水を入れてくれるというのでお願いした。水を入れてもらったペットボトルとポリタンを受け取って中を見ると先にペットボトルに入れておいたスポーツドリンクの粉末がきれいに無くなってしまっていておもわずため息が出た。
そして西湖の桑留尾でバスを降りたら中々登山口が見つからず、訊ねようにも人は歩いてないし、焦りながら20分ほどウロウロしてようやく見つけたけれどそれだけでぐったりと疲れてしまって・・・
だから登山道を歩き出した途端に安堵感でいっぱいになってしまった。
久しぶりのテント山行なので何か忘れ物があるような気がして仕方ないのだけれど・・・まーっ、とにかく今年最初の山登りは始まったのだ!

登り出して直ぐに急勾配だ。息が切れないように、そして汗をかかない様にゆっくりと登って行く。今回歩くコースの途中には水場が無いので二日分3リットルの水を持ったけれど汗をかくとそれでは足らなくなってしまうので気を付けなくてはいけない。
後ろを振り向くと西湖の湖面が日の光を鋭く反射させていて、その薄光を背中に感じるともうそれだけで幸せになるから不思議だ。

20分ほど登っているとだんだんと勾配が緩やかになってきて周りの景色も見えるようになった。
西湖を挟んで見える三湖台や足和田山は思ったより高くて富士山の眺めが良さそうだ。岩壁の向こうにはこれから向かう鬼ヶ岳の姿があって、山と岩と木々とが何とも言えない調和を造っていて新緑や紅葉の時期はさぞ綺麗だろうな!と思った。そして鬼ヶ岳から金山へと続く稜線は霜か霧氷で真っ白くなっていて空の青さにきっぱりと宝石のような輝きを見せている。
ただ登るにつれて段々と雪の量が多くなっていくのは気がかりだった。今回、アイゼンは持って来ていないし、それに雪の上にテントを張ったことが無いのでその事も心配になってしまう。

十二ヶ岳のすぐ前には素晴らしい展望の岩場があった。写真はねぇ逆光でその良さを写し撮ってはくれなかった。

しばらく登っていると展望の良い岩場に到着。
ここは富士山を正面に臨む180度の大展望だった。少し上に岩棚になった場所を見つけたのでそこに座ってちょっと休憩。今日は歩行時間に余裕があるのでこんな道草は大歓迎だ。風も無くて、こんな暖かい日に一日ボーッと座ってのんびり富士山を眺めて、たまに本を読んだり、音楽を聴いたりしたら最高だろうな!としんみり思う。


十二ヶ岳への分岐点付近は霧氷がマブシイ。

毛無山への分岐点付近では木々に真っ白な霧氷が付着していた。ここまでの登山道の雪にはトレースは無かったけれど、毛無山への登山道にはしっかりとトレースが付いていて毛無山から登った方が道は険しいと思うのけれど登山者の数は多いみたいだ。
分岐点から一気に十二ヶ岳まで登っていった。

十二ヶ岳山頂に立つ。
おーっ富士山はやっぱいつ見てもどこで見ても妥協が一切無いのが素晴らしい。カッコイー奴はどんな服も似合うってことと同じだな!
だけど山頂に立っていると今まで無風だったのが嘘みたいに北からの身を切るような冷たい風を受けてじっとしていられない。
じっとしてると歯がガタガタと鳴りそうなので少し山頂の南側に移動し、ここだったら富士山の展望も良いし!ということで早くも昼食にした。


十二ヶ岳山頂。あーッ北風が冷たい。三脚を組み立てていると手が冷たさに痛くなる。


ワッハッハ!富士山はどこから見ても素晴らしい、笑ってしまうしかない!

十二ヶ岳山頂から金山へ。
細い稜線上の登山道に積もった雪はさらに深くなり10センチくらいになった。無垢な雪の上に自分の足跡を残しながら歩くのは気持ちが良いのだけれど反面誰も歩いていない事に不安を感じる事もある・・・たしかこの先に小さなキレットがあったと思ったんだけれど・・・ほら、ほーら、やっぱり有ったよ!こんな悪い予感必ず当るのだ。
高さはわずか5メートルほどの小さな崖、ロープもあって特になんてことはないのだけれど雪にスッポリと覆われていて足場がよく見えない。
足を蹴り込んで足場を探りながら降りていくけれど、それも面倒くさいし、それほど高くもないのでほとんどロープにつかまってながらズリズリとすべり落ちるように鞍部へ降りて行った。自分でも情けな!と思うけれど無事だったからまっ良いか!
昭文社の山岳地図では十二ヶ岳山頂から金山の間は点線表記の難路となっているけれど危険な箇所はここだけで、この小キレットもビビリ屋の僕が見てもそれほどでもなく難路になっているのが不思議だ。


節刀ヶ岳からの展望。本当はこの左側に三ツ峠山や黒岳があって、そっちもこっちも素晴らしい。

金山山頂にザックをデポして節刀ヶ岳までピストンすることにした。
金山からの登山道には雪の踏み跡は無かったけれど大石峠への分岐点から先は多くのハイカーが登ったみたいでしっかりと雪が踏み固められていた。
前回、三つ峠山から鬼ヶ岳まで縦走したときに知ったことだけれど、御坂山塊は三ッ峠山が一番人気の山でそれより西に連なる山々はマイナーな感じであまり人に歩かれていない印象を持っていた。だけど大石峠、節刀ヶ岳、鬼ヶ岳、十二ヶ岳、毛無山は山頂からの眺望も良くてしっかり人気の山々だった。
逆に黒岳は200名山で標高も御坂山塊の中で一番高いのだけれどだけれどあまり面白いとは思わなかった。ただこの山の展望台からの富士山の夜景は素晴らしく、富士山の撮影スポットとしてカメラマンにも人気の山だ。


節刀ヶ岳から富士山。ちなみにこの写真は理由も無く上を見上げている、そうしたかったから。

前回の縦走で節刀ヶ岳は僕にとってもお気に入りの山の一つになってしまった。
三ッ峠山から縦走してきてこの山頂に立つと大菩薩蓮嶺や奥秩父の山々、それに八ヶ岳、そして河口湖から富士山への眺望が一気に広がり、それまで安閑としていた気持ちも一気に開放されるような広大な眺めなのだ。
今回は薄っすらとモヤってはいたけどやっぱりその素晴らしさに翳りはなかった。

再び金山へ戻ってくると今朝バスで一緒になった二人の方(たぶん夫婦)との再会。この二人は根場→鬼ヶ岳から登って来られたということで鬼ヶ岳、節刀ヶ岳、十二ヶ岳、毛無山と日帰り縦走されるということだった。おかあさんが十二ヶ岳と毛無山の間にある橋が危ないという情報を聞かれていて心配していた。確かにあの登山道はけっこう荒っぽいのだ。低山だと思って舐めてかかるとしっぺ返しをくらうのだ。
でも二人の姿を見るとヤッケのくたびれ具合や日焼け顔などからけっこう山を歩かれている感じなので心配は無いな!と思えた。


鬼ヶ岳からの南アルプスオールスターズの面々。空には飛行機雲が無数に横切っていた。

金山から鬼ヶ岳への道にはさっきのお二人のトレースがしっかり残っていて、このくらいの積雪でもやっぱ人が歩いた後を歩くのは楽だな!と思った。
鬼ヶ岳も前に歩いてお気に入りになった山だ。
鬼ヶ岳山頂から見た甲府市街地の風景は忘れられないシーンの一つだ。
こんな景色は山屋にとっては、自然を求めてやって来た者にはこんな人工物の羅列は邪道かも知れない。でっかい青空に押しつぶされるようにして銀色に輝く街並みが広がっている姿は地上の天の川を彷彿させるようでおそらく無限を感じさせてしまうからなのだろう。


鬼ヶ岳からの八ヶ岳。
他の山、大菩薩や金峰、南アは雲が無いのに、なぜか八ヶ岳の上だけは雲に覆われていた。

ここからの甲府市街地の眺めは僕の好きなシーンの一つ。
予定では鬼ヶ岳のすぐ北に位置する雪頭ヶ岳までピストンする予定だったけれどそれは止めて王岳へ向かうことした。雪頭ヶ岳は一度も行ったことがなく、おまけに地図には好展望地とあるのでこれは行くしかあんめい!と楽しみにしていたのだけれど、なにしろ予想外のこの雪、僕は雪の上で幕営したことがないのでテントの設営に戸惑ってしまうかもしれない、雪頭ヶ岳はキャンセルして予定より早く王岳に到着した方が無難だな!と思ったのだ。


鬼ヶ岳山頂。風が無くて暖かいてっぺんだった。
すぐ目の前の雪頭ヶ岳には残念!行かないことに。


鬼ヶ岳の名前の由来になった角の形の岩も雪に埋もれている。

鬼ヶ岳山頂から眺めると西の山々は全体的に低い山ばかりで、その先に構える竜ヶ岳や毛無山がでっかい。
鬼ヶ岳から王岳への縦走路に視線を向けると一気に下っているばかりでせっかく登ったのにもったいない!と思う反面、鬼ヶ岳まではそんな急な登りは無いな!という感じなのでまーのんびり歩けば良いや!という気安さもある。
雪のしっかり踏まれている登山道をどんどんと下って行く。展望は良く、太陽が西に傾きかけ益々綺麗になった富士山を常時左に見ながら歩いて行く。南アルプスや大菩薩嶺、奥秩父や八ヶ岳は木々の間からチラチラ見える程度ですっきりと見える場所は無かった。

鍵掛峠まで一気に下って再び登りだ。ここを登れば今日の行動は終わると思うとあまり疲れも感じない。この縦走路は稜線上にあり、道が尾根の南側通っている時には風も無く、日差しもあって暖かいのだけれど、尾根の北側を通っていると北風が冷たく、日差しも届かないので寒い。その温度差は意外と大きく、温度調整の為にキャップを被ったり脱いだりが忙しい。


鍵掛峠からの富士山。太陽が西に傾くと富士山が綺麗に見え出した。

鬼ヶ岳まであと10分という所を登っていると、僕の10メートル下の木がザワザワと揺れた。何だ何だ!と目を凝らすと・・・なんと熊だ!
二頭の動物が茂みに消えるまでほんの一瞬の出来事だったのではっきりと断定は出来ないのだけれど、丸々とした体に柔らかそうな毛、それにあの短くて太い足・・・どう見たって熊だよな!
だけどこの辺りで熊を見たって話聞いたことないし、それに今年は暖冬の影響で熊が冬眠に入るのが遅れていると言ってたけれどまさかこんな真冬の時期まで熊が起きているはずないし、だ・け・ど、どー見ても鹿じゃないよな、熊だったよな?
まさか今夜、食べ物の匂いに惹かれてテントまで来るってことはないよな?月ノ輪熊はヒグマと違って向こうから人へは近寄って来ないと聞くから大丈夫だとは思うけれど、一気に不安になってしまった。

目の前がパーッと開けて富士山がドドーン!
鬼ヶ岳山頂には予想以上の眺望が待っていた。ここにテントを張るのか!テントからの富士山の眺望!もうそれだけでうれしくなってしまった。
ネットで調べたら限りではそんなに展望の良い山頂という感じでは無かったのだけれど・・・確かに山頂の西から北側は木々に遮られていて残念なことに南アルプスや八ヶ岳は望むことが出来ないけれど、だけど南側ほぼ180度の展望だ。本当に富士山の眺望は素晴らしい。

予想通りしっかり雪が積もっているのでここでの幕営はヤレヤレどうなることやら!と不安もあるのだけれど、雪の上での幕営への憧れ、期待などワクワク感も十分感じていて、もーっ私のことムチャクチャにしてっ!とマゾ的にニタついている自分がいるのだった。

さっそくテントの設営にかかる。場所はまたしてもてっぺんのド真ん中!他の登山者が居たら邪魔だーっ!と蹴飛ばされそうな場所だけれど時間はすでに3時半だし、もう誰も登ってこないだろうし。
山頂の雪は踏み固められていて深さは5センチ位だった。テントを張る場所の雪面を平らに均してテントを設置すると中々良い感じだ。
ところでペグは?試しにペグを雪面に差してみると予想通りにスポスポと抜けてしまって役立たず状態だ。幸い今日は風が全くと言っていいほど無いのでペグ無しでも大丈夫だろうとテントは地面に置くだけにした。
ただフライシートの張綱だけは張らないといけない。フライシートがテント本体と接触してるとそこから結露した水が染み込んで来るし、前室も使えなくなってしまう。
そこで張綱のペグは雪を土が出てくるまで掘ってそこに埋め、上から雪を盛って足でおもいっきり踏んづけて置いた。まあ、これでどうにか固定することが出来た。


王岳へとうとうやって来た!想像以上の展望に感激!ブフフな夜が朝が迎えられそうな、そんな予感!

テントを設営すると直ぐにお湯を沸かして・・・雪の上には小さな石碑しか出ていないのでバチ当たりだと思ったけれどその石碑の台座の上にガスストーブを置かせてもらった。
お湯が沸くと富士山を眺めながらまずはアイリッシュ・コーヒーを一杯。まったく寒いときにはこれに限る。ウイスキーの芳しい香りが鼻をくすぐり、そして湯気の向こうには富士山の姿、んーん幸せ気分!
ただ今日は、やっぱり暖冬のせいだろうか?そんなには寒くは無く、フリースジャケット一枚でも十分だった
コーヒーの後はホットウイスキーでまたまた富士山を観賞。
4時半くらいから富士山の7合目辺りだけ雲が出て来たので今日は夕焼けはダメだな!と思っていたけど5時少し前に夕日が富士山をほんのりピンク色に染めた。
5時を回ると暗くなり、そして眼下の街にもポツポツと明かりが灯り出した。遠く河口湖周辺は明かりの点が多いけれどこっちの西湖周辺には民家が少ないらしくこじんまりとした夜景だった。


テントの向こう側にはしっかりと富士山の姿


ほんのりと夕日に染まる富士山。7合目付近は雲の中

低山で テントは隠れ家のようなもの!
タイヘーさん(一からの山登り)が言ってた。確かにそうだな!こうやって暗くなってテントの中で食事を作っていると外の冷気やかすかな風の音、星の瞬きににテント全体がしっかりと包容されているような居心地の良さを感じる。シューッと音をたてて燃える青白いガスストーブの炎に仄かな暖かさを感じてしまう。
夕食のメニューは塩ラーメンに色んな野菜と玉子をぶち込んだもの。それに前から一度やりたかったホットワイン。冬のテントではホットワインが温まるに違いねぇー!と普段ワインを飲まない僕でも思ったわけだ。ワインツーの豊本さん(音楽と道楽人生巡礼)の話ではどうもホットワインというのは邪道らしく「やるならテーブルワイン(安い)でやってくださいね!」と言うことだった。ロマネコンティでやってやろうじゃないの!と思ったけれど(嘘です)それは止めて豊本さんの助言に従いテーブルワインを持って来た。
塩ラーメンとホットワインの組み合わせ・・・なかなかやるじゃないか!と思った夜だった。
その後、昼間食べきれなかったおにぎりで雑炊を作った。何しろ冬の夜は長いのだ!
雑炊とホットウイスキー、これもなかなか・・・もうお腹パンパンだよ!

酔いもそうとう回っている。アルコールでシェイクされた頭で王ホークスのことを考えた。
松坂はメジャーに行ったし、小笠原はジャイアンツへ・・・ズレちゃんがいなくなったのは痛いが小久保がジャイアンツから戻って来たし・・・ブフフ!
とりあえず叫んでおくか・・・
じょうじば〜、びぐぢ〜、戻っでごい〜!!!

静かな夜、シュラフに入って沢野ひとしの”休息の山”を読む。川苔山の話を読んでいたらもう眠くて目を開けていられない。たった20ページにて撃沈!
ズリズリとシュラフにもぐり込むとシュラフのぬくぬくがもうたまらない!
もう何も聞こえない!




日の出前30分が一番好きな時間かもしれんな!彩色の中に期待が感じられるせい?

5時に起きる。
夏山だったら歩き出す時間だけれど外はまだ真っ暗だ。
昨夜は夜中に数回眼が覚めたけれど寒くも無くぐっすりと眠る事が出来た。
ちなみに寝るときの服装は・・・
まず僕のテントマットは薄くて断熱効果が無いのでシュラフマットの下にレインウェアを敷いて少しでも地面の冷たさが伝わらないようにした。上半身はアンダーウェア、フリースのジップアップにダウンジャケ。下半身はアンダーウェアにフリースのパンツ、カーゴパンツを履いた。靴下はウールの二重。もう装備の総出動状態!ただキャップとグローブはしていると寝心地が悪いのでしなかった。


朝食を食べつつ、富士山を眺める。せわしない朝

テントから空を眺めると満天の星。冬の星空は透明な青白さの中にあった。
今日も何だか良い日になりそうな予感がする。

朝食は定番のカレーライス(こればっか)それにワンタンスープ。
キャベツ、玉ねぎは半透明になって凍り付いていてこんな冬のイジワルにもワクワクしてしまう。野菜、ソーセージ、玉子、椎茸、ワカメを入れたスープはかなりのボリューム、おまけに二人前!もう朝からお腹パンパンです。

6時半、テントを撤収しながら夜明け前の富士山を眺める。
確かに日の出の力強さや始まり感も良いけれど僕が一番好きなのは日の出
30分前の東の空が薄っすらと明らんで来る時間。
地平線にジンワリとにじみ出した赤と空の深青のグラディエーションには神秘的な美しさを感じてしまう。
今朝は東の地平線付近に雲があるけれどやっぱり太陽の始まりには何事にも動じない静かな力強さで満ち溢れていた。


王岳に朝がやってきた。さあいよいよだ、願いはただ一つ!!!

そして朝がやって来た。

オバカかもしれんな、でもご来光に向かってホークスの旗を振って王ホークスの日本一を祈願するのだ。山好きな僕にはこれくらいしか出来んからな。

王岳からご来光を拝んでのホークス優勝祈願は元旦初日の出の方がご利益はあるに違いないのだけれどそのへんはきっと神様も大目に見てくれるだろう。

これが僕の初夢だ。
一富士、ニ鷹、三なすび・・・あーっ茄子を持ってくるの忘れた。富士山に向かってホークスの旗を振り、そして茄子を食べる。これで日本の由緒正しき初夢の実写版が完成するはずだったけれど、何か忘れたと思っていたんだけれど、それもまーしょーがない!

7時になっていよいよ王岳ともお別れだ!
大願成就した後だからか?体も心も軽やかに弾む。
富士山の東側を太陽の光がきっかりと照らし始めた。
それじゃ、ぶりっと行ってみますか!今日は西を目指すのだ。
ザックを担ぎ上げて山頂を振り返ると一畳ほどのテント跡がくっきりと雪の上に残っていた。
ホークスが優勝したらまた来よう!と思った。

Rさんに捧ぐ 編 へ続く
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