大岳山 (海沢探勝路)

行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩、***:その他)

◆ 2016年5月14日
白丸駅 (6:50) --- アメリカキャンプ村 (8:30) --- 天狗岩ノ滝 (8:55) ---海沢園地入口 (9:00/9:05) --- 三ッ釜ノ滝 (9:05/9:25) --- ネジレノ滝 (9:40/9:55) --- 大滝 (10:05/10:35) --- 縦走路分岐 (11:45/11:50) --- 大岳山 (12:00/12:15) --- 綾広ノ滝 (12:55/13:00) --- 七代ノ滝 (13:35/13:45) --- 滝本 (14:45) --- 御岳駅 (15:10)

山日記

偶然ネットで見た新緑の沢の画像が印象的だった。
ただ自分の実力では沢登りは無理なのでせめて滝を見に行こうと思った。

良い滝は無いかな?
日本の滝100選、関東の滝30選とかネットで見まくった。でもなんだか違うのだ!

僕が見たいのは大きな滝、迫力ある滝ではないことに気がついた。

やっぱり御岳山の七代ノ滝を見に行くことにした。
地図を見ると大岳山の北側に三つの滝があるので大岳山と御岳山を繋げて歩くことにした。




駅のホームには民家が隣接していて、どこが改札口?と悩むところから始まった。
suicaで清算して引き返すと民家の玄関前に左へ降る道があった。
降って行くと「海沢峡」の道標があってそれに従って歩いて行くと道に迷ってしまった。

仕方なく一旦、国道まで降りて奥多摩駅の方へ歩いて行くと100mほどで数馬峡橋があった。
散策路を歩いても国道を歩いても日向への距離は変わらないので橋を渡って散策路を歩くことにした。

多摩川上流はラフティグなどが行われているので急流のイメージだったけれど海沢峡の水面は動いてなくて青く深い沼のようだった。
もう少し日が高くなって川を照らすようになったら川面の青が鮮やかだと思う。
出会いにはあまりにも鮮やかな渓谷だ。


数馬峡橋からの多摩川。川の流れは無くて周りの緑と空色に染まっていた。

日向からは「アメリカキャンプ村」の案内に従って歩いて行く。
「アメリカキャンプ村」のその名前は昭和を連想させて古い施設を想像していたけれど新しい渓流のそばの明るいキャンプ場だった。

アメリカキャンプ村から30分ほど歩くと海沢園地入口へ着いた、
(こうして文字にすると一行だけれど、駅から2時間も歩く長い道程なのだ。)


海沢園地の直ぐ手前にある天狗岩ノ滝。落差20mほどの対岸の滝が車道から見えた。

やっと登山道だよ!
休憩所の奥に登山道があった。
ここまでの車道歩きに飽き飽きしていたので登山道の安堵感が心地良かった。

沢沿いの道は行き場を失ったような新緑の光に満ちていた。
ちょっとした隙間も緑色の光に照らされているような道だった。

歩き出してすぐ三ッ釜ノ滝があった。
すごっ!何でこんな綺麗な滝があまり知れ渡っていないのだろう(僕が知らなかっただけかも)
同じ感じの滝だと西沢渓谷の「七ツ釜五段ノ滝」を思い浮かべた。
比べてみると三ッ釜ノ滝は滝壷まで近寄れるし、滝を覆う木々も無いので滝の爽快感を肌で感じることが出来た。

全ては緑色の影の中に納まっていた。
滝の水飛沫、沢の音や小鳥の声が新緑と相まって素晴らしい景観を創っていた。
海沢園地入口で登山準備をしている人がいたので、その人が登って来ると落ち着いて撮影出来なくなると思いかなり焦っての撮影になった。

三ッ釜ノ滝の横の道を登って行くとすぐ上にも小さな滝があり、下からは見えないけれど三ッ釜ノ滝には5つの滝があった。


三ッ釜ノ滝も良いけれどその周りも新緑が最高!滝の落差はそれぞれが3-5mほど。


三ッ釜ノ滝のすぐ上にも2つの滝がある。この滝の落差は2mほど。

三ッ釜ノ滝から10分ほど登って行くと2mほどの滝が見えた。
これがネジレノ滝だな!と思っていると道は滝の先へとズンズンと降って行く。

あーっ、秘境だぁーっ!
突然投げ入られたようなシーンがそこにあった。
薄暗い洞窟の中に入って行く。

洞窟の奥、密かに佇むようにネジレノ滝があった。
苔むした岩の間から5mほどの滝が水飛沫をあげている。
洞窟のずっと奥にはポッカリと白い空が見えていて、その白い空から忽然と現れるように二つ目の滝があった。

洞窟の中は滝の空気感と臨場感の音に包まれている。
こんな滝が東京にあったのだ!
僕が知らなかっただけなのか、それとも登山者にとっての滝はただの通過途中の風景なので話題性に乏しいのだろうか。

(海沢園地の案内図にある様にネジレノ滝の直前にネジレノ滝と大滝への分岐があるけれど、今はネジレノ滝を経由しても大滝まで行けるようになっている。)


ネジレノ滝だと思った落差2mほどの滝。本物はこのすぐ先にある。


秘境だと思ったネジレノ滝。写真ではこの大きさが伝わらないのがもどかしい。手前の滝は落差5mほど。


洞窟になっているネジレノ滝から外を眺める。遠い空に包まれるような光が眩しい。

大滝は大岳山への登山道から外れた場所にあるらしく分岐から大滝へ降りて行った。
すると木々の間にその姿が見えた。その名前の通り大きな滝だ。
滝自体は典型的な、優等生的な滝の様子だ。

滝壺の周りが平で広いのでここでシートを広げてゴロンと寝そべったら気持良さそうだ。
(他のハイカーには迷惑だろうけれど)

ここで記念写真を撮ろうとセルフタイマーをセットしてダッシュ!
カメラのNDフィルターをONにしていることをすっかり忘れていた。
後で画像を確認して見ると人物(僕)だけがぶれた失敗写真ばかりだった。

滝の先へと行く道があった。
道標が無いので先へは行かなかったけれど帰って来てネットで調べるとこの先に海沢園地4番目の滝があるらしい。

ここで滝のマイナスイオンを浴びながらの昼食。
僕の後ろを歩いているはずの男性は来なかったので、一人でのんびりとした時間になった


落差20mほどの大滝。この左に4番目の滝へ進むらしい道があった。


水飛沫を浴びた草も綺麗。


大滝の上部は木に隠れて見えにくい。


大滝の滝壷の周りは広くなっているので時間があって人が居なければのんびりしたような場所。

大滝から分岐まで戻って大岳山へと登って行く。
御岳山の方から若い男性数人が何か歌っているような声が聞こえる。

登山道はなだらかな沢沿いの道で渓流の緑が目に鮮やかだ。
ワサビ田を過ぎたところからいよいよ大岳山への急な登りになった。
所々に大岳山への道標もあり、道もしっかりと踏まれているけれど整備はあまりされていないようで倒木が道をふさいでいる箇所がいくつもあった。
分岐の道標には「大岳山(悪路)」となっていたけれど不明瞭な箇所も歩きにくい箇所も無かった。

見上げると先の方に道標が見える。
あそこが大岳山への縦走路だ!と登って行くとただ稜線に出ただけだった。

そこから30分ほど歩くとやっと大岳山への縦走路へ出た。
この分岐には海沢園地への標示が無いのでここから下って行く人には分かりにくいかもしれない。


大岳山へ登る途中もこんな美しい渓谷が続く。

大岳山頂は大賑わいだった。
個人的には奥多摩の山はあまり好きではないので富士山は見えるけれど心にガツンと来るものは少なかった。
ただこれだけハイカーが多い人気の山だから僕には分からない魅力がきっとあるのだろう。

登山者が多いから仕方が無いだろうけれど ・・・ これだけは言いたい!
山頂の標柱の周りは空けておいてくれ!標柱の記念撮影させてくれ!

標柱と富士山の写真を撮りたかったけれど標柱のすぐそばで知らないオジサンがガッツリと弁当を食べているのにはマイった。


弁当を食べている人が居なくなるまで10分待った。


焦がす気持の大岳山頂からの富士山。

大岳山から三都郷へ降って天狗ノ滝を見に行こうかとも思ったけれど、やっぱり七代ノ滝が見たくて御岳山へと向かった。

新緑の中を通り抜けた光が一気に暗い洞へ注ぎ込んでいるような綾広ノ滝には鳥居があって崇高な感じだ。
ここは休憩する雰囲気ではないので手を合わせると直ぐに先に行ってしまう人が多い。


落差10mほどの綾広ノ滝。祓戸乃大神(はらえどのおおかみ)が祀られています。


古くから御嶽神社の神事で滝行が行われる滝です。

ロックガーデンには思ったほど登山者は多くなくて緑の苔を眺めながらのんびりと歩くことが出来た。
もう正午を過ぎていたので人が少なかったのかもしれない。
ここは御岳山の延長上なので犬を散歩させている人や手ブラな人の姿もある。


ロックガーデンはやっぱり新緑の頃に来なくてはと実感。


これまでにロックガーデンには数回来たけれど同じ箇所で撮った写真が一枚も無い。

やっぱりこれ位の滝が良い!
七代ノ滝を見て滝に興味を持つようになったと思う(少しだけど)
川乗山の百尋ノ滝も迫力があって良いのだろうけれど僕には立派過ぎる。
これ位の(大きさの)滝の趣にナゼか惹かれる。
心が休まる感じがする。

風に揺らぐ葉陰の中の出来事。
森の光を集めた様な小さな水飛沫が緑の岩壁をしっとりと潤していて七代ノ滝はいつ見ても良いなと思う。


落差5mほどの七代ノ滝。実はこの滝は小さな滝が8段連続していてその合計は50mにもなるらしい。


七代ノ滝が今回の滝巡りのメインだと思っていたけれど海沢三滝があまりに良かった。

海沢三滝にはあまり期待していなかった。
ところが ・・・ これが ・・・ 良かったぁー!
綾広ノ滝や七代ノ滝ももちろん良かったけれどもしかしたら海沢三滝はそれ以上かもしれない。
他にハイカーが居なくてのんびり滝を見れたのも良かった。

空を眺めながらウトウトしたい!
今度は紅葉の時期に海沢三滝を見に来ようと思う。
人の少ない平日に来てゆっくりと流れる秋の時間を楽しみたいと思った。
その時ほおづえを着くような風が吹いていたら良いなと思った。

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