大野山、高松山

行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩、***:その他)

◆ 2016年6月4日
谷峨駅 (7:15) --- 大野山 (8:35/8:55) --- 大野山入口 (10:15) --- 山北駅 (10:30/10:40) --- 高松山入口 (10:55) --- 高松山 (12:25/12:40) --- 高松山入口 (13:50) --- 山北駅 (14:10)

山日記

谷峨駅で電車を降りるとホームで車掌が待っていた。
「SUICAは使えません、現金のみの清算です。」と「ICカード処理連絡票」を手渡された。
ここって神奈川だよな、JR東日本でもSUICAが使えない駅があるのだ。

谷峨駅の周りには民家も少なく、植えられたばかりの苗が風に揺らいでいる。

青い橋を渡って更に車道を登って行く。
道標が所々にあるので迷うことは無かった。

振り返ると富士山がデカイ。
そうなのだ、丹沢山塊の中でも大野山は富士山に近い山の一つなのだ。


大野山へ登る途中で振り返ると富士山がデカイ。だけど段々と雲に隠れてしまう運命なのさ!

車道から登山道に入ると気持が落ち着いた。
靴がしっかりと地面をグリップする感触が心地良い。

登山道の脇には植林された跡がいくつも続いている。
桜か何かを植林したようだけれど苗は既に枯れてしまっていて添木と柵だけが空しく残っていた。

登山道を登っているとまた車道に出てしまった。
トイレと休憩所の向こうに大野山が見える。
山頂は草原になっているようで明るい緑色だった。

休憩所の横を登って行き、車道を横ぎると急な登山道になった。
振り返ると金時山など箱根の山が一望出来た。
ただ振り返る度に富士山が雲に隠れて行くので嫌な予感がする。

見上げると朽ちかけた小屋が見えた。
近づいて見るとそこは山頂ではなく、セメントの水飲み場と柱だけ残った牛舎跡みたいだ。


休憩所の横から見た大野山。右にジグザグの登山道が見える。

草原の中を歩いて行く。
あーっ、これがネットで見かける大野山の風景だ。
牛はどうやら出払っているようで一頭も居ない。
牧場の向こうにデッカイ富士山!? ・・・富士山はもうすっかり雲の中だった。

草原がブツリと切れてまたも車道に出てしまった。
西丹沢の山々の眺望が良いけれど車道歩きはやっぱり味気ない。


大野山の西側は富士山の好展望地。この直ぐ先にベンチがあって山頂よりも眺望が良い。

大野山頂に着いた。
車道を歩いて山頂に着いた。何と味気ない結末だろうと思う。

車道が山頂をしっかりと横切り、オフロードバイクで来た男性がのんびりと休憩中だった。

マイカーを持っている人は大野山頂まで座って来れるのだと思うと何だか無駄な努力をした自分に少し落ち込んでしまう。

山登りに楽しみは山頂だけでは無く、そこまでの山道も魅力の一つなのは分かっているけれど、こうハッキリと車道の存在を見せ付けられるとやっぱりガッカリする。

それでも山頂からの眺望は良かった。
富士山は雲に隠れていたけれど雲が無ければ空に浮かぶ富士山を裾野まで眺めることが出来る近さだ。
西丹沢の山々の眺望も良かった。
檜洞山ってこんな山容をしていたのだと、その姿をしっかりと見ることが出来た。

ここからの富士山の姿は次回までとって置こう!(せめてそう思わないとやってられない。)


何とこれが大野山の山頂です。写真の手前が車道で、ここまで歩いて来たオレっていったい・・・


大野山の山頂は達成感は皆無だけれど眺望は良い、山頂からの小田原市街。


山頂からの丹沢湖と右は畦ヶ丸。この右にある大室山は雲の下で暗かったので割愛。


丹沢湖のジオラマアップ。夏を感じる風景。

山頂の案内板には車道を降るコースが紹介されていたけれど、これから更に車道を歩くと無駄な努力をしている感じから抜け出せなくなるので、ここは意地でもハイキングコースである地蔵岩コースを降って行くことにする。

地蔵岩コースは眺望は無いけれど良く整備された歩き易い散歩道だった。

途中にまたまた「スカイツリーと同じ高さ634m」のウサギがいた。
何も大野山に限らず標高634m以上の山だったら必ず634m地点は存在するはずだし、大野山とスカイツリーに何か関係でもあるのだろうか?。
ここからスカイツリーが見えるわけでもないので「同じ高さ」だと言われても「あーそうですか」としか返せない。
ウサギの名前はピーターそれとも二羽だからヘイズル&ファイバー?まーどうでも良いけど。


こっちは登る時のピーター。おーっスカイツリーと同じか!


こっちは地蔵岩コースのピーター。同じってだから何?

道は地蔵岩の直ぐ下から車道を歩くようになったけれど旧共和小学校のすぐ先で車道とハイキングコースに分かれていた。
ここまで降りて来て更にハイキングコースを歩くのも面倒なので車道を降って行くことにした。

山北駅へ向かって降りて行く途中、何だかこのまま家に帰りたくなった。
大野山に牛は居ないし、富士山は見えなかったし、山頂の達成感も無いし、それにこのまま高松山へ登ってもきっと富士山は見えないだろうし。
自宅に帰ってビールでも飲みながらDVDを見た方が良いなと思う。


何でこんな山の中にボクシングジム?ジムは新しかった。


喫茶店でビン牛乳を出してどうする?それも良いかも。

国道246号線の「大野山入口」へ来て見ると次のバスまで30分もあるので山北駅まで歩くことにした。((後で分かったことだけど樋口橋から高松山入口までは松田ー西丹沢路線以外にも山北町循環バスも運行しているので上手く利用すれば歩くことはなかったかもしれない)

陸橋から見下ろすと御殿場線は緑のトンネルの中を走っているようだった。
この付近は「桜の中を走る電車」として「撮り鉄」には人気の場所らしい。
山北駅へ向かう線路横の小道は桜の大木が並び、ワンピース姿のお母さんがのんびりと散歩していてのどかな初夏を感じさせた。


撮り鉄には有名な桜の名所らしい。線路横の小道も新緑がすがすがしくて良い感じなのだ。

駅前の商店街には古民家風の家があって中を覗くとオレンジ色の白熱電灯の下で店主が客と雑談しながら調髪していた。
店の扉はガラガラと音がしそうな引き戸で古民家風ではなくてそのまんまの古民家なのだ。

昭和にタイムスリップしたような商店街がそこにあった。

駅前の観光案内所で足柄茶を飲ませてもらっていたら何だか元気が出てきた。
山北の街並みがどこか懐かしくて、温かくて、もうひと頑張りしようという気持にさせられたのだ。


山北駅前には昭和初期に建造された建物が立ち並んでいる。こんな重厚な美容室って!

古い土蔵を改築した喫茶店や丹沢山という酒を造っている醸造店が並ぶ道を歩いて尺里へ向かう。

ミカン畑の中の車道を登って行くに従って小田原の市街地が眼下に広がって行く。
車道がプツンといきなり無くなって、そこからようやく登山道になった。

良く整備されたゆるやかな道を登っていると目の前に林道が現れた。
せっかく山らしくなったと思ったらまたこれだ。
集落に接した山、植林された山に林道があるのは仕方ないないのだけれどやっぱり興がさめる。


高松山へ登る途中からの小田原市街の眺望。尺里は山に囲まれた小さな集落。

林道を横断して再び登山道へ入って行く。
道は山を巻いているので平坦だったけれど下を見ると登山道と並走するように林道が見え、それはビリ堂まで続いた。

案内板によるとビリ堂とは一番ビリ(最後)にある観音堂なのでそれが名前の由来になったらしい。
それじゃ一番最初の観音堂は?他の観音堂は?と思ったけれど案内板に説明にはなかった。

ただそれよりも僕が強く思ったのは「マイカーを持っている人はビリ堂の近くまで座ったまま来れるのだ」ということにガッカリした。


ビリ堂の観音様 ・・・ それにしても頭の上の牛か羊は何だろう?

ビリ堂の直ぐ先に秦野峠への分岐があった。
ここから秦野峠までは難路となっているけれど道はしっかりと踏まれている感じに見えた。
大野山→秦野峠→高松山のルートを歩くのも面白そうだ。 行くしかないな!

高松山の山頂はそこだけポッカリと草原になっていた。
太陽に射抜かれて身動き出来ずにいるみたいな山頂だ。

山頂の北側は木々に遮られているけれど南側、西側の眺望は良かった。
少し期待はしていたけれどやっぱり富士山は雲に隠れている。
小田原の街並みも薄っすらと霞んでいて、その先にある相模湾は空との区別もつかない。


高松山の山頂は広い草原になっていた。誰も居ない意山頂では空の大きさを抱えきれません。


山頂からは小田原市街が一望出来た。山頂から第六天へは一般道と古道の二つの道があるので注意。

誰もやって来なかったので山頂のベンチに寝転がって視線を空に投げる。

大野山も高松山も広い山頂からの眺望は良かった。
ただ山頂近くまで車道が通っているので山歩きの楽しさは半減していると思う。
駅からも近いので割と楽に山頂に立てるけれど、逆にそれが物足りなかったりもする。
ファミリーハイク向きの山で、オレみたいなオヤジが一人で来ても時間をもてあましてしまう

あーいかんいかん、気持が暗くなっている。

高松山からその名前が気になる第六天へ行こうと思ったけれど、空を見上げると雲の底が段々と黒くなって来たので天気が崩れるかもしれないと登って来た道を引き返すことにした。

大野山も高松山もあまり面白い山ではなかったけれど、もう一度来なければいけない。
Oh No ! 山頂から富士山をキッチリ見ないとこのままじゃ気持が治まらない。

それに何だか気になってしまった、山北駅前の商店街が。
ジサマやバサマ達が店先の長椅子に腰掛けて話しをしていた街に立ち止まりたいと思った。

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