礼文岳、利尻山
行程 (着/発)(+++:フェリー、===:バス、---:徒歩、***:飛行機)

◆7月25日 (羽田→礼文島)
羽田 (9:40) *** 稚内 (11:40/11:50) === 稚内駅 (12:20/13:20) --- フェリーターミナル (13:30/15:10) +++ 礼文島香深港 (17:05/17:15) === 緑ヶ丘公園キャンプ場 (17:30) (テント泊)

◆7月26日 (礼文島西海岸8時間コース)
キャンプ場 (7:50) === スコトン岬 (8:47/9:30) --- ゴロタ山 (10:15/10:30) --- 鉄府漁港 (11:20) --- 宇遠内漁港 (15:00) --- キャンプ場 (16:40) (テント泊)

◆7月27日 (礼文岳、桃岩展望台コース、礼文林道コース)
キャンプ場 (6:10) === 内路登山口 (6:35/6:40) --- 礼文岳 (8:25/8:45) --- 内路登山口(9:50/10:24) === 香深フェリーターミナル (10:47) --- 知床 (11:30) --- 元地灯台 (12:25/12:40) --- 桃岩展望台登山口 (13:45/14:10) --- (礼文林道コース) --- キャンプ場 (16:10) (テント泊)

◆7月28日 (礼文島→利尻島)
キャンプ場 (8:10) === 香深フェリーターミナル (8:21/9:55) +++ 鴛泊フェリーターミナル (10:35/11:20) --- 利尻北麓野営場 (12:30/13:10) --- ポン山 (13:55/14:20) --- 小ポン山 (14:50/15:00) --- 利尻北麓野営場(15:40) (テント泊)

◆7月29日 (利尻山、利尻島→稚内)
野営場 (4:00) --- 長官山 (6:50/7:10) --- 利尻山 (8:40/9:40) --- 長官山 (10:35/10:45) --- 野営場 (12:25/13:30) --- 鴛泊フェリーターミナル (14:30/16:00) +++ 稚内フェリーターミナル (17:40) --- 北防波堤ドーム(17:50) (テント泊)

山日記 (いよいよ北海道へ!編)

羽田空港のカウンターでザックを預け、X線検査を通ろうとして注意書きを見たら・・・
100円ライターの持ち込みは一個まではOKだと言うことは知っていたけれど、それは服のポケットとか手荷物の中にということで預けた荷物の中には入れてはいけないということを初めて知ってしまった。
ザックの中にライターを入れている事を慌てて係員に告げると「もう荷物は飛行機に詰め込まれていますから搭乗口で言って下さい」とのこと。

他の乗客はとっくに乗ってしまい、搭乗口で一人ポツンと待っているとアテンダントが息を切らせながら僕のザックをカートに積んで運んで来た。そこへ特別検査係と腕章を付けた男性が棒の先にワッカの付いた金属探知機らしき物を持って走って来た。
もう搭乗口は大騒ぎ!数人の係員に取り囲まれて搭乗口のカウンターの上でザックの解体作業が始まった。
僕と同じ飛行機に乗った方!飛行機の出発が10分遅れたのは僕のせいです!

飛行機が高度を上げていく。眼下には東京の町並みが広がっている。
とうとう北海道へ行くのだ!・・・夏は北海道の山へ!と今年初めから計画していたことがいよいよ実現したんだな!
なにを北海道ぐらいで!おおげさな!と思う人もいるだろう。だけど僕にとってはいろんな意味で頑張った計画だったのだ!
僕は単なる趣味である山登りにバンバンとお金を使えるほど裕福ではない。それで費用を捻出するため年初めからこの日まで「これ以上、山へ行かなきゃ頭の血管が切れる」状態になるまで山登りは我慢しするようにした。(そのためか久しぶりにホームページをアップするとその後に「しばらくアップが無かったので死んだかと思った、遭難したかと思った」等のメールが多かったのには唖然!)。

それから今まで僕は有給休暇を取って山登りをしたことが一度も無い。
「こらっ、ぶろう。おまえナンボのもんじゃい、有給休暇で山に登るなんて10年早い!」という気持ちがどこかあって休めなかった。
ところがカレンダー通りの休日では遠くの山へ行くことが出来ない。これでは北海道や九州の山なんて退職するまで行けそうにない。
それで今年は一発奮起して溜まりに溜まった有給休暇を一気に夏に注ぎ込み、北海道へ遠征することにしたのだ。

飛行機の運賃は一ヶ月前までに購入すると70%くらい安くなることもあるけれど一ヶ月前になんて仕事の状況は分らない。そこで今回はGW明けに安くなった株主優待券を使ってオープンチケットを買っておいた。
7月終わりになってやっと仕事が一区切りした。ワクワクしながらザックに装備を詰め込んだのだ!

稚内空港へ到着。
出発した羽田ではまだ朝の9時だというのに既に気温は30度に達し、でかザックを背負った僕は汗びっしょりになったけれど、ここ稚内は雲っていたせいもあり気温は18度と「さすがに北海道」と思わせる涼しさだった。
すぐにバスで稚内駅へ移動。ここではガス缶という大事な買い物があるのだ。

ネットで調べておいた駅前商店街にある「はせがわ」へ。この店はスポーツ用品となぜか靴を一緒に売っているちょっと変わった店だった。利尻山へ登る人ご用達の店らしく、店員さん(お母さん)も慣れたものでザックを背負った僕の姿を見るなり「ガスはそこですよ」と教えてくれた。ガスはEPIとプリムスがそれぞれ一種類あった。
お母さんの話では最近来たお客さんの中に飛行機の検品でガス缶と一緒にガスバーナーも没収され、店に入るなりガスバーナーありますか?と慌てて聞いてきた人がいたらしい。
「僕なんか100円ライターで飛行機止めちゃいました!」などと言おうものなら絶対に今後の客に延々と伝わると思うのでもちろん言わない。
お母さんとそんな話をしていたら今度は奥からお父さんも出てきて「どこから来たんですか?」「やっぱり利尻山へ登るんですよね!」とか話は延々と続くのだった。
北の大地!立ち話に背中のザックの重さが身にしみた。

それから商店街のスーパーで食料品、駅前の酒屋でウイスキーを買ってフェリーターミナルへ向かった。

フェリーターミナルから、というか稚内からは利尻島が見えるらしいのだけれどこの曇り空で海の先は一面の灰色、どこに利尻島や礼文島があるのかまったく判断できなかった。
天気予報では明日も曇りだ。当初の予定では先に利尻島へ向かうつもりだったけれど予定を変更して礼文島へ行くことにした。せっかく北海道まで来たのだから利尻山は晴れた日に登りたい、礼文島は散策コースがいくつかあるので曇りだったら晴れるまで礼文島を散策していようと思ったのだ。

デッキに出て船の行く先を見ても何にも見えない。
北海道初日がこれかよっ!潮風が冷たくて寒くてたまらない。すぐ目の前に利尻山はあるのだ!と思うけれど灰色の空を見ていると何となく不安になってしまう。
礼文島に近くなってやっと雲の下に島が見えた。

フェリーからの礼文島は雲の下。
雲の下から日が差してちょっと明るくなった。

フェリーの乗客の中には海鳥にスナック菓子をあげるバカ者がいるので鳥はこうしてくっ付いて来るのだ。

南ヶ丘公園キャンプ場。台の下にテントを張っても良い。隣の野球場まで行くと利尻山が見える。

礼文島へ上陸だぁー!
ここはしっかり感動するはずの場面なのに曇り空のせいなのか?いまいち気分は盛り上がらないような・・・んーん。
下船してすぐにスコトン岬行きのバスに飛び乗った。バスの行先は「須古頓」となっていたので読めるまで一瞬戸惑ってしまった。多分、この“スコトン“という面白い地名も語源はアイヌ語なのだろう。先日、国会でアイヌ民族は列島の先住民族とする決議が成立したというニュースを聞いたけれど、こんな北の小さな島にまでアイヌ語が生きているのだ、それを今日までアイヌ人が先住民族と認めなかったことが不思議に思えた。

フェリーから見ると礼文島は平たい島という印象だったけれど、いざ上陸してみると海岸線からすぐに山になっているので平地は少なく、海岸沿いの車道にそって民家が横一列にずらり並んで建っていた。こんなことを書くと礼文島の人に怒られそうだけれど意外と人が住んでいて驚いてしまった。

路線バスはどこでも乗降自由らしく乗る時に乗務員に「キャンプ場へ行きたい」と告げていたら香深井のバス停ではなくキャンプ場近くで降ろしてくれた。
緑ヶ丘公園キャンプ場は野球グランドの隣に、うっそうと茂った森の中にあった(テント場代600円、管理小屋には自販機やコインランドリーあり)
テント設置用の木台が8つあってすでに5つは埋まっていたので空いていたひとつにテントを設置した。
ホットウイスキーを飲みながら海の方に視線を向けると灰色の雲の下から少しだけ利尻山が覗いている。利尻山は飛行機の中からも見えたのだけれどこうして目の前にすると・・・オレ来ちゃったんだよぉー、北海道に!礼文島に!
遅すぎる感動だけれどけっこうジーンとした。

礼文島西海岸8時間コース編 へ続く

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