北横岳、天狗岳 |
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行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩、***:ロープウェイ) ◆1月31日 ◆2月1日 |
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山日記 なぜ山に登るのか? 前回の七面山登山の時に暖かくなるまでテント泊は無理だ!と言う言葉を脳天から叩きつけられたので今回は素直に山小屋に泊ることにした。ただ山小屋に泊るのは2002年8月以来一年半ぶりなのでどうも落ち着かない。 「うわっ、やば、やばい!」 |
坪庭から少し登った場所から見た坪庭と縞枯山 |
雪の上をキュッキュッと音を立てながら歩るいてゆく。風は冷たく頬をピリピリと刺激するが日差しが暖かいので気にならない。 「えーやん、えーやん!」こんなにも雪の上を歩くことって楽しいことだったっけ?坪庭を歩きながら単純に面白いと思った。 坪庭を過ぎると樹林帯の登りになった。森はモコモコの雪を真っ白に着飾ったスノーツリーのオンパレードでその直ぐ上には滴り落ちそうな青い空が広がっている。木々の間から今歩いて来た坪庭、その白い平原の向こうには縞枯山が見えて、ただただもー!綺麗だなとしか思えない。 |
僕の周りには思ったよりも登山者が多かったが、ここには夏山の汗ダクダクのコンチクショー闘魂山登りなんて無く、どの人の顔もやっぱり楽しそうだった。よかった、よかった! 北横ヒュッテは雪に埋もれるように建っていた。煙突からは白い煙が青い空を泳ぐようにユラユラと立ち昇っていてホッと暖かさを思い出させる。 |
一面のスノーツリーの中を歩いて行くと北横岳ヒュッテが雪に埋もれるように建っていた。 |
北横岳(地図では横岳)からの蓼科山 |
やっぱり来て見て良かった!と思った。ロープウェイ駅から少し登っただけでこんなに素晴らしい景色が見られるなんてなんて贅沢なんだろう。蓼科山の遥か奥には北アルプスの白い頂が浮かべている。 手袋を外してカメラを構えると切れるようにメチャ手が冷たい。あまりに冷たいので一枚撮るたびに手袋をはめて手を温めた。 北横岳からの降りはドンドン降れるのでご機嫌だ。雪が積もっていると足の着く場所をいちいち気にしなくて良いので夏よりも短時間で降りられるんだねー。 |
たまに滑って転びそうになるけどそれがまた楽しい、ギュッギュッって雪を踏みしめる音もいい、風が吹くと粉雪がキラキラと目の前を舞う、テルモスのミルクティーも美味しい、鼻水がタラタラと流れ出てくるのさえ楽しく思えてくる。 雪山は景色も良いが子供に戻ったように遊ぶことが何よりも楽しい!あー実感! 予定では北横岳ヒュッテか縞枯山荘に泊まって、翌日は高見石付近を散策しようと考えていた。ところが登山道の雪はしっかり踏まれているのでかえって夏よりも歩き易く、もっと歩いてみたい!もっと楽しみたい!という思いが募ってきた。 |
太陽の光が燦々と降りそそぐ雪原はどこまでも明るい遊び場。 |
坪庭から駅に向かう道から分かれて五辻へ進む。はたしてトレースはあるだろうか?と道を見たら左官屋がコテでならしたように真っ平なトレースが延びている。 前方に視線を移すと、5、6人のクロカン集団が歩いてきた。「あー、この道、クロカンが盛んなんだねー」と思っていると今度はスノーシューの集団がわっせわっせと歩いて来た。「これが雑誌で見かけるスノーシューってやつか!」 道を空けようとトレースが無い所に除けるとその途端にズボッと20センチほど踏み抜いてしまった。「あーこの道、トレース上はしっかり踏み固められているが、そうでない所はこんなにフカフカで、雪もこんなに積もってんのか!」と慌て足を引き抜いた。 この道、人が居ないどころではない。スキーやスノーシューを着けた人がズンズン、ズラズラと大勢歩いている。 んでぇ、気がついたんだけど、登山靴で歩いているのって僕だけなんだねー、こんなにもスノーシューが一般化しているなんて、全然知らなかったよー。 スキーやスノーシューを履いている人から見たら「わーっ、こいつ登山靴だけで歩いているよ!」とバカにされているかもしれない。僕にはスキーもスノーシューもにゃーずら!これじゃ細うで繁盛記みたいなハイクになってしまっていた。(例えが古くてゴメン!) |
オリギリ平から狭霧苑地に出て車道を歩き野麦峠まで行ってもよかったのだけれど、それじゃーあまりに味気ないので大石峠を通って行くことにした。 だけどこのオリギリ平から大石峠までの道はとても疲れたのだった。道にはスキーやスノーシューのトレースはしっかりあるのだけれど踏み固まってなくてトレースの上を歩いても登山靴では5〜10センチくらいズボッと沈んでしまって一歩踏み出すたびにため息が出てしまう。ふうっー! |
まったく歩きづらく、汗ダクダクになりながら歩いていたけど大石峠からはまたしっかりと踏み固まっていたのでそこからは楽に野麦峠に到着出来た。 |
麦草ヒュッテからの茶臼山 クロカンが楽しそうだった。 |
高見石小屋 暖かい小屋、25人ほどの宿泊者でゆったりと寝られた。 |
高見石小屋に着いてみると客は5,6人だった。「やっぱこの季節は登山者が少ないなー」と思っていたらこの小屋主宰のクロカン&スノーシューツアーの客が20人ほど戻って来て一気に賑やかになった。 こんなにのんびり、背筋をシャンと伸ばして夕食を食べるのも久しぶりだ。テントはタッパが無いのでどうしても猫背になってしまうし、あぐら姿勢も結構疲れる。 |
食事が終わると2階に上がって再びコタツで座談会だ。単独行の男性から色々と冬山の話を聞かせてもらう。知らない事ばかりで話が弾み気がついたら8時半だった。1階の食堂ではまだ宴会が続いていたが寝ることにした。僕の場所は階段を上がってすぐ正面だったので下の喧騒がビンビンと聞こえてくる。うるさくて眠れるかな?と心配したが布団に入ると直ぐに眠りに落ちた。 「すみません!!!」女性の声で目が覚めた。1階の談話(はっきり言って宴会)がうるさくて眠れない女性がとうとうブチギレて注意したようだ。悪いのは一階の奴らだということは分かる、ただどうせ注意するなら1階に降りて注意して下さい、お願いしますよ! |
翌朝の朝食は6時半で日の出の時間と重なりそうだったので朝食前に展望台に登って行った。雪が積もった白駒池だけがポッカリと暗闇にぼんやりと白く浮きあがっていて寒さのせいでどこかシニカルな表情に見えた。東の空は薄紅色にほんのり色付いていたがやがて起き出した空の白さに溶けていった。 小屋に戻っての朝食はパン、ハムエッグ、サラダそれに紅茶だった。テントでの朝食はカレーライスばかりなのでこれはこれで美味しかったけど僕としてはやっぱり白いご飯と熱い味噌汁が恋しいのでした。 |
高見石展望台から朝の白駒池 薄っすらとした朝焼けに街の明かりが光っていた。 |
小屋の入り口に着けてある温度計を見ると‐10℃。なんだこの前の七面山と変わらないじゃん!」と思っていたら小屋番さんの「こんな暖かい日は珍しい!」との声、なんだか得した気分で「よっしゃー!天狗っー、待ってろよ!」と雪を蹴って登山道を歩き出した。 |
中山山頂はほぼ360度の大パノラマ 縞枯山、蓼科山 |
中山からの天狗岳 待ってろよー! |
中山山頂からの展望は良かった。「ここってこんなに展望が良かったっけ?」ここはピークらしくないので今まではノホホンと通り過ぎてしまっていたかもしれない! 雪山=遭難=死!そんなイメージの雪山なのにこんなに人が多いとはちょっと意外だった。中高年というか、それよりずっと年上のパーティーがでかザックを背負っていたり、単独行しかも女性の単独行の姿にも驚いた。 |
中山峠付近からの天狗岳の姿にウズウズ! |
それに観察してみると装備もマチマチだ。ノースフェイスのジャケット、プラスチックブーツ、12本アイゼンでバッチリと決まっている人も居れば、僕のようにレインウェアでちょっとショボイ奴、かと思えば街中で着るようなジャンパー、靴は布登山靴とヤマケイJOYから怒られそうな格好な無鉄砲野郎までさまざまだ。 中山峠でアイゼンを着ける。要らないかな?とも思ったがせっかく持って来たんだから一度くらいはつけておこうと思ったのだ。でも着けて正解だった。雪が踏み固められて硬くなっている箇所があったのでこりゃつぼ足で登ったんじゃ大変だろう。 |
天狗岳に登る途中からの天狗ノ奥庭 |
鞍部からの赤岳、阿弥陀岳 とても登れそうにありましぇん! |
樹林帯を抜けると風が強くなり、天狗岳山頂を見上げると雪煙が舞っている。 雪山は始終、登山者の顔色をうかがっているような油断のならなさがあるように思える。思わずネックウォーマーを鼻まで引き上げると気持ちを引き締め登って行く。 東天狗岳山頂は風が強かったが展望は良かった。南の方向に硫黄岳がでっかい、そしてその奥には赤岳、阿弥陀岳が真っ白く峻険な姿を見せている。 |
鞍部は風が無く、西天狗岳へはゆったりとほっつき歩き |
西天狗岳山頂は雪で一面真っ白 展望も良し! |
西天狗岳山頂に登るとここも風が強い。東と違ってこっちの山頂は雪で一面真っ白だ。 その真っ白い雪の中で赤岳、阿弥陀岳、それからちょっと遠くなってしまった蓼科山を眺めていると暖かな太陽の光も吹きぬける風も全てが自分一人だけのものだと思えてくるから不思議だ。 天狗岳からの降りは不慣れなアイゼンを引っ掛けないように注意しながらで降りる。 |
黒百合ヒュッテ前にはテントが数点あった。ついついメラメラ憧れ視線で見てしまう。ぺグはどうやって固定しているのだろう?テントマットはもちろんあるだろうな!そのうちに冬用テントを買って必ずここにテントを張ってやろう! 渋ノ湯から茅野へのバスが出るまでには時間があったので好きな天狗ノ奥庭を散策することにした。 |
天狗ノ奥庭からの天狗岳 天狗をはやっぱりここからが一番! |
天狗ノ奥庭からの西天狗岳 雪化粧の木々が綺麗だ。 |
西天狗岳を見ると山頂下の木々は真っ白く雪化粧され、ちりめん模様みたいな造形美がどこか寂しく、そして綺麗だった。 黒百合ヒュッテから渋ノ湯へのんびりと雪の登山道を降ってゆく。 |
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