五色ヶ原、薬師岳、黒部五郎岳、双六岳

行程 (着/発)(+++:電車、===:バス、---:徒歩、***:ケーブルカー)

◆ 2018年7月13日
富山 (7:05) +++ 立山 (8:16/8:40) *** 美女平 (8:47/9:00) === 室堂 (9:50/10:00) --- 龍王岳 (11:35/11:40) --- ザラ峠 (13:50) --- 五色ヶ原キャンプ場 (15:10)

山日記 (幽世の門が開く 編)

夏はどこの山へ行こうか?その選択肢は少ない。
以前、夏に谷川岳や男体山に登った時にそのあまりの暑さに完全にバテてしまった経験から夏は日本アルプスか北海道の山にしか行かないことに決めていた。

今回の行先は室堂から笠ヶ岳までの4泊5日のコース。
剱岳や槍ヶ岳も繋げて歩きたいけれどあまり長い行程になるとザックが重くなってしまうので今回は本当に行きたい山だけを選んで歩くことにした。


バスタ新宿から金沢行の夜行バスに乗り込んだ。
片道料金が何と\2300円という安さにホクホクしたけれどバスに乗ってみると座席の狭さにゲンナリした。
ちょっとお尻を前にずらすと膝が前の座席にくっついてしまう。
夜行バスにもこんなに座席が狭いバスがあるのだ。何が「ゆったり4列」だ!

おまけに隣に座った20歳位の男性は関取系で自分の座席内に納まることが無理だった。
あまりの窮屈さに眠れなかったけど午前3時を回ったころからようやくウトウトし始めた。

朝6時半、バスは定刻通りに富山駅へ到着した。
富山駅前からは室堂行の直行バスがあるけれど運行は明日からなので電鉄→ケーブルカー→バスと乗り継いで室堂へ向かうことにした。

電鉄富山駅の自動券売機で富山から室堂までの通しチケットを買おうとしたけれどどのボタンを押しても室堂が見当たらない。
これは窓口で買った方が早いと思って改札口へ行ってみると駅員さんが「通しチケットはここの左側で買ってください」とのこと。
それで自動券売機に戻ってアチコチのボタンを押してみたけれどやっぱり室堂まで買えそうにない。
それで再び改札へ行って自動券売機の操作が分からないことを告げると「室堂までの通しチケットは自動券売機では買えないので左側の窓口で買ってください」とのことだった。
左側を見ると自動券売機の横に窓口がるけれどカーテンが閉まっている。
「窓口って閉まってますけど?」と尋ねると「窓口は6時50分からです」とのことだった。

んーん、早く言ってよ!余りに説明が悪すぎる、言葉が少なすぎる。
このゴタゴタのせいでコンビニで朝食を買う時間が無くなってしまった。

立山駅でケーブルカーに乗り換える。

ケーブルカーは特に景色が見えるわけでもないので、それだったらケーブルカーは廃線にして立山駅からバスで一気に室堂へ行った方が早いのでは?と言う気がした。

美女平でバスに乗った途端に爆睡してしまった。
目が覚めた時、車窓の外には雄大な弥陀ヶ原が広がっていた。
あーっ、とうとう室堂にやって来たのだ。
緑の高原の中を走って行くバス。曲がりくねった道の先の方にポツンとバスターミナルが見えた。


新宿→富山|\2300円、富山→室堂\3630円で合計\5930円で来ることが出来た。でも夜行バスは疲れた。

バスターミナルの階段を登って外に出た。
空はどんよりと曇っていて周りの山々は見えない。
天気予報では曇りのち晴れだったのでそのうちに晴れるだろうとみくりが池へ向かった。(みくりが池の東側にはみどりが池があって紛らわしい)

みくりが池への散策路の途中で人だかりがしていたので行ってみると人々の視線の先にはライチョウの親子がいた。
親ライチョウはこんなに多くの人の視線を浴びているのに草の間でジッとして一向に逃げる様子も無い。
ガイドさんの話ではこのライチョウの親子はこの辺りに住み着いているらしく、散策路を越えて隣の草むらに移動したいので人がいなくなるのをジッと待っているらしい。
ガイドさんが立ち止まらないでくださいと連呼するけど誰も動かず。
ライチョウの魅惑力恐るべし!


みくりが池の周りにはまだたくさんの雪が残っていた。剱岳、立山は雲の中。


室堂の散策路に人だかりが出来ていた。ライチョウもうんざりしていると思う。写真を2枚撮るとすぐに退散する。

今日は五色ヶ原までと歩行距離が短いので気が楽だ。
それに今回はザックを軽量化してみたので背負った感じが今までとどう違うのか楽しみなのだ。

・ザック GREGORY KARMAI 70L 3.0kg → ZEROPOINT ALPAINPACK 60L 1.7kg
・クッカー EVERNEW アルミ 1.2L 250g → EVERNEW チタン 0.9L 115g
これで約1.4kgの軽量化なのだ。
グレゴリーのザックは元の重さは3.2kgだったけど使わないベルトを全部外し、使うベルトも短く切って200g軽くしたもの。
家を出る時にザックの重さを量ったら16kgだった(水含まず)。今までは18kg位だった。

ザックを背負ってみると確かに軽く感じる。
ただザックの背負い心地はグレゴリーの方が・・・

室堂山荘前の分岐から室堂山へ向かうと分岐からすぐに雪渓の上を歩くことになった。
僕は夏道を外さないように雪渓を歩いたけれど他の登山者の中には自由気ままに雪渓の中を歩いている人もいた。
その横には雪渓を気持ちよさそうにスキーで滑っている男性もいた。爽快な気分だろうなとは思うけれどリフトは無いので下まで滑ると自分の足で登って来なくてはならず自分だったら5,6回繰り返したら飽きてしまいそうに思えた。

ガスっているので室堂山(展望台)へは寄らずに浄土山へ向かった。
登山道が急斜面になったので息が上がらないように歩くペースを作る感じでとにかくゆっくりと登る様にした。
周りの景色はガスって何も見えないので登山道の周りの花を眺めながらのんびりと登った。

龍王岳(地図によると山頂ではないみたいだ)で休憩中の登山者が多くなった。
皆さんこれからどこに向かうのだろう。五色ヶ原へ行く人はいるのだろうか?
ガスの間に薄っすらと一ノ越山荘が見える「だけで周りの山々は雲の中だった。
前に来た時にはここから残雪の立山の山々が見えた。その景色をまた見たくてここまでやって来たのに今日は見れなかった。

鬼岳付近で雷鳥の親子を見つけた。
写真を撮ろうと思ったけれど雷鳥も面倒くさい奴がいるなぁー!と思っているだろうしカメラを向けるのは止めてここは静かに立ち去ることにした。

鬼岳を過ぎた辺りから雪渓が多くなった。急な斜面をトラバースするような箇所もあったけれど雪面にはステップが刻んであるので特に危険は無かった。

室堂から浄土山→竜王岳→獅子岳と歩いて行くけど天気は回復するどころか一層ガスってしまって周りの景色は余計見えなくなってしまった。
ガスが深くなって周りの景色が一切みえないので自分が今どの辺りを歩いているのか分からない。それに立山までやって来たのにこうやってただ歩くだけという単純作業がむなしい。残雪をまとった山々の景色はどこに行ったのだ!


白くガスって周りの景色は見えないので花を眺めながら歩いた。

ガスの中を歩いていると五色ヶ原キャンプ場への分岐があった。
五色ヶ原ヒュッテでテントの受付をしてキャンプ場へ行こうかと思っていたけれど分岐に「テントの受付は五色ヶ原山荘で」と案内板があったので面倒だけど山荘への道に進んだ(五色ヶ原ヒュッテは2008年に閉じてしまったのことを後で知った。もしあの案内板が無かったらガスの中をヒュッテを捜して歩き回っていたかもしれない)

五色ヶ原山荘でテントの受付をしたら手がかじかんで文字が上手く書けないことに焦ってしまった。歩いていて寒さを感じることは少なかったけれど手は意外と冷え切っていたのだ。

ビールを2本買ってキャンプ場へ向かった。
晴れていたら五色ヶ原には雄大な風景が広がっていたに違いないのにそれが全く何も見えない。木道や雪渓を歩いて行くと白いガスの中に色鮮やかなテントがいくつか見えた。

五色ヶ原キャンプ場は雪渓の下方に位置しており地面が濡れている箇所が多かった。
テントの数は少なくて5張ほどだったので乾いた場所に張ることが出来た。

これまではテントを少しでも早く設置するためにフライシート、本体、グランドシートの三つを予めくっ付けて持って来ていたけど、これだとフライシートと本体が妙にずれてしまってテント全体がねじれてしまうことが多かった。それで今回は本体とグランドシートのみくっ付けて持って来た。
以前に比べて多少設置に時間はかかったけどテントがねじれることなく設置することが出来た。


時々パラパラと雨がテントを濡らした。テント近くの雪渓で冷やしておいたビールはやっぱりウマかった。

セメントで作られた水場には沢から引かれたホースから水が流れ出ていた。
「沢の水なので使用するときは煮沸してください」と書いてあったけれど気にせずにそのまま飲んだ。
バンダナを濡らして顔や体を拭いたけれどあまりの水の冷たさに手を付けていられなかった。
ブロック造りのトイレにはセンサーが付いているらしく人が来ると灯りが付いた。(電力源はなんだろう?)

時々パラパラと雨が降ってテントを小さく鳴らした。
余り喉の渇きを感じていなかったけれどビールはうまかった。

立山に来たんだなー!としんみり思った。夏山の扉は開いたのだ。
だけど物足りない一日だった。白い雪渓が残る鋭鋒を見ることは出来なかった。

昨夜はあまり眠っていないのでビールを飲んで夕食を済ませるとすぐに寝てしまった。

魔界転生 編へ 続く
●山麓をゆくへ   ●ホームへ
inserted by FC2 system